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公認会計士に必要な知識はどんなのもの?

公認会計士とは、監査を独占業務とする会計のプロフェッショナルですので、決算に用いられる、会計という専門知識が要求されます。
また、不正がないかを監査するため、企業や納税に関する法律の知識も求められます。
ただし知識はどこまで知識であり、公認会計士として大成するにはそれらの知識を実務に活用できる能力が強く求められます。

「会計」に求められる具体的な知識

公認会計士には会計に関するさまざまな分野の知識と企業や納税に関する法律の知識が求められます。
具体的には、次のようなものです。

  • 会計に関する知識
    「会計学」・「監査論」・「経営学」・「経済学」・「統計学」
  • 企業や納税に関する法律の知識
    「企業法」・「租税法」・「民法」

このうち、必須であるのが「会計学」・「監査論」・「企業法」・「租税法」の4つの知識です。
また、これらの必要な知識及びその応用能力を有するかどうかを判定することをその目的で行われるのが公認会計士試験となります。

最後にものを言うのは実務で知識を生かせる能力

公認会計士として必要な知識がなければ、そもそも公認会計士試験に合格できませんが、知識だけでも公認会計士の資格を取得することはできません。
実際、公認会計士は会計とその周辺知識は専門職といわれる程度には質・量ともに知識量が求められますが、それは、聞かれたら回答できるというレベルではなく、帳簿を見ていて「あれ?これってもしかしてあの規定に引っかかるんじゃないかな?」っと気づくことができたり、会計の専門家ではないクライアントの役員に分かりやすく説明できる程度に、膨大な規定の背景や構造を理解することが求められます。
結局、知識はあることが前提であり、実際は「この基準はどういう趣旨を達成したくて、どんな構造になってるのか?」という本質的なことを理解し、それを実務に活用できる能力が一番重要になってきます。
公認会計士の資格を取得するためには、最低2年の実務経験が要求され、更に実務補習と終了考査を受けなければならないのは、このような知識を実務使える能力を育てるためでもあります。

公認会計士に必要な資格はなにか?

公認会計士になるには公認会計士の資格を取得する必要があります。
この資格は、公認会計士試験に合格した者で、2年以上業務補助等があり、かつ、実務補習を修了して内閣総理大臣の確認を受けた者に与えられます。

公認会計士資格とは

公認会計士資格は、その名の通り、公認会計士として仕事を行う上で必ず必要となる国家資格のことです。
この資格を有するものが、公認会計士として登録するとことで初めて公認会計士業務を行うことができます。

公認会計士資格の特徴

公認会計士は税理士とよく混同されますが、その資格の取得について税理士資格と異なる独特の特徴があります。
その特徴とは次のようなものです。

  • 取得の方法が一つしかない
  • 公認会計士試験に合格して、即、資格が与えらるわけではない

取得の方法が一つしかない

税理士資格の場合、税理士試験に合格する他、23年以上税務署に勤務し指定研修を受けたり、弁護士または公認会計士の資格を有する場合に、税理士としての資格があるとされます。
つまり、税理士資格を取得する方法が複数あるわけです。
それに対し、公認会計士資格の場合は、公認会計士試験に合格するしか取得の方法がありません。

公認会計士試験に合格して、即、資格が与えらるわけではない

税理士の場合、税理士試験に合格すれば税理士としての資格は与えられます(税理士として登録するには2年以上の実務経験が必要ですが)。
それに対し、公認会計士では公認会計士試験に合格しても速兄資格が与えられるのではなく2年以上業務補助等の実務経験があり、かつ、実務補習を修了して内閣総理大臣の確認を受けた場合のみ、資格が与えられます。
なお、内閣総理大臣の確認は終了考査に合格すればほぼ自動的に与えられるので、事実上の公認会計士資格取得の要件は終了考査に合格ということになります。

公認会計士になるには

公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格する方法しかありません。
しかし、公認会計士になるには試験に合格後、さらに「業務補助等」「実務補習」「修了考査」「登録」の4つのステップがあります。

公認会計士になるための5つのステップ

公認会計士試験に合格するだけでは公認会計士になることはできません。
公認会計士になるためには、公認会計士試験を含めた次の5つのステップをすべてクリアすることが必要があります。

公認会計士試験

公認会計士になるための最初のステップは、公認会計士試験に合格することです。
公認会計士試験は毎年実施され、マークシート方式の短答式試験と記述方式の論文式試験の2つから成ります。
短答式試験に合格した人だけが論文式試験に進むことができ、論文式試験に合格すれば晴れて公認会計士試験の合格者となります。

業務補助等を行う

公認会計士になるための2つめステップは、2年以上に渡って「業務補助等」を行うことです。
この業務補助等は、「公認会計士や監査法人を補助すること(業務補助)」または「財務に関する監査、分析その他の実務に従事すること(実務従事)」をいいます。
業務補助自体は公認会計士試験の前に行っていてもよいのですが、ほとんどの人が合格後、監査法人に就職するという形で行います。

実務補習を受ける

3つめのステップは、実務補習を受けることです。
公認会計士試験に合格した後、一定期間(1~3年)をかけて実務補習所というところに通い、実務補習を受ける必要があります。
実務補習は、日本公認会計士協会が主催する講義を受講する形式で行われ、実務を行ううえで必要となる会計・監査に関する知識を習得することを目的としており、評価方法として単位制を採用しています。

終了考査に合格する

ステップの4つめは、終了考査に合格することです。
修了考査は実務補習で必要な単位数を取得した人のみが受験することのできる試験で、この試験に合格して初めて公認会計士の資格を取得することができます。

公認会計士として登録する

公認会計士の資格を習得後、公認会計士としての登録手続を完了すれば、念願の公認会計士になることができます。
登録手続は必要書類を所定の機関へ提出(登録申請)することにより行われ、通常1~2ヶ月程度で完了します。

公認会計士の仕事は責任重大

公認会計士は会計に関する事柄を扱いますが、その最も象徴的で重要な業務は、企業会計の監査を行うことです。
この監査により公認会計士は監査を受ける側の企業よりも上の立場にあるといえる一方で、会計の専門家として監査し、投資家の株式会社に対する信頼を確保しなければなりませんので責任は重大です。
また、この監査業務をするにあたっては公認会計士の多くが「重要性の原則」を採用しています。

監査の目的と重要性

公認会計士の役割は、独立した立場において公正にその会計の適法性・正確性の判断を行うことです。
具体的には、企業の財務情報が正確で適正なものであるかどうかを、会計の専門家として監査して、投資家の株式会社に対する信頼を確保すること、これが公認会計士の役割です。
従って、公認会計士は場合によっては監査を受けた企業にとって不利になる報告も公開することもあります。
また、監査業務は、その目的から責任が大きく、例えば粉飾決算が見抜けなかったなどの理由で、株主に不利益を与えた場合、多額の損害賠償を課されます。

公認会計士と重要性の原則

公認会計士の監査業務は、あくまで、投資家の株式会社に対する信頼を確保することが目的なので、逆に言えばこの信頼を損なわない限り、細かい数字の違いはそれほど問題になりません。

何故、無視してもかまわないのか?

100万、200万は一般人にとっては大金ですが、例えば、億単位の会社の監査をするにあたって、100万、200万レベルの金額の違いがあったしても、会社全体の資本からすれば非常に小さな金額であり、公認会計士にとっては無視してもかまわないレベルです。
むしろこのような事に拘っていれば肝心の監査が滞ることになります。
その為、多くの公認会計士は「重要性の原則」を採用しています。

重要性の原則とは?

「重要性の原則」は会計上の考え方の1つであり、簡単に言えば「重要でない問題はどうでもよろしい」という考え方です。
つまり、Aという会計処理方法 を用いるか、Bという方法を用いるかによって生じる数字の変化が相対的に小さいならば、ABどちらを使おうがかまいはしない、という考え方です。
監査することになる企業の多くでは、数十億~数千億、場合によっては兆という数字を監査することになりますので、全体の数値に大きな影響を与えない問題は素通りしないと監査ができないということですね。

公認会計士と税理士はここが違う!!

税理士は主に税務代理を業務にしているのに対し、公認会計士は主に監査を業務としています。
また、税理士は税理士となる資格を有し、税理士登録することにより税理士業務を行うことができますが、公認会計士は公認会計士試験に合格しない限り公認会計士業務を行えません。

業務の違い

公認会計士と税理士は、どちらも会計を専門に行う業務ですが、業務内容や取引先企業には大きな違いがあります。

業務内容の違い

公認会計士は会計に関する仕事を行う資格であり、代表的な仕事は、企業の経営をチェックする「監査」や経営戦略の相談にのる「コンサルティング」となります。
一方、税理士は、税金・税務に関する仕事を行う資格であり、所得税や法人税などの各種税金の申告や、税務書類の作成、税金に関する不服審査手続などを行うのが中心的な業務となります。
さらにこれらの税務に関して納税者を代理する資格をもち、また税務に関する相談を受けることも税理士の仕事です。

職種 公認会計士 税理士
独占業務 財務処理の監査・証明 税務代理・税務書類の作成・税務相談
その他の業務 会計・税務・コンサルティング・株式公開支援など コンサルティング・会計業務など

取引先企業の違い

公認会計士の「監査」は株式を上場しているような企業に対して行うものなので、顧客は大企業になることが多く、大都市での仕事が多くなります。
ただし、公認会計士が地方都市で事務所を開く場合、周辺に大企業がほとんどない場合があるので、「税務」を引き受けることで中小企業の顧客を増やすことになります。
一方、税理士は中小企業や個人が顧客になることが多くなります。
簡単に言えば、上場している企業の会計をチェックするのが公認会計士、中小企業の税務申告を行うのが税理士となります。

身分の違い

公認会計士として登録をするためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。
一方、税理士として登録をするためには、税理士試験の合格による資格取得の他、23年以上税務署に勤務し指定研修を受けるたり、弁護士または公認会計士の資格を有する場合には税理士試験を受けずに税理士登録をすることもできます。

税理士よりも公認会計士が格上?

税理士も公認会計士も国家資格ですが、その試験の難易度は公認会計士のほうが上とされています。
また、公認会計士は税理士登録をすることによって税理士となることができるのに対し、税理士は、別途公認会計士試験に合格しない 限り公認会計士となることはできません。
これにより税理士よりも公認会計士のほうが上位の資格であるとされています。

公認会計士とはどんな職業?

公認会計士とは簡単に言えば監査および会計の専門家のことです。
日本においては、公認会計士名簿に登録し、主として、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする者をいいます。
その業務は会計監査、財務、経理など多岐にわたります。

公認会計士の特徴

公認会計士は、監査及び会計の 専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護 等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命としており、監査対象たる会計主体からの独立性に特徴があります。
また法律により財務諸表の監査業務に携わることが認められている唯一の職種です。
ちなみに、会計業務自身は誰でもできる自由業務とされており、公認会計士の独占業務は会計監査のみです。、

公認会計士の業務

公認会計士の仕事の内容は、多岐にわたっており、おおまかに分類すると次の4つに大別できます。

  • 監査業務
  • 会計業務
  • コンサルティング業務
  • 税務業務

監査業務

監査業務とは、会社が作成した損益計算書や貸借対照表等の財務諸表について、会社とは独立した第三者である公認会計士が、適正であるか意見を述べる業務です。
公認会計士の業務のなかで、公認会計士だけが独占的に行うことができる唯一の業務であり、公認会計士の業務の最も代表的なものです。

会計業務

会計業務は、税務業務以外の経理一般の業務です。具体的には、財務諸表を作成したり、財務や会計に関する指導やアドバイスを行う業務です。

コンサルティング業務

コンサルティング業務とは、監査業務の外、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることです。
公認会計士が行うコンサルティング業務は多岐にわたっており、具体的には会社の経営に関する立案・指導・助言等を行う経営コンサルタント業務や株式公開コンサルティング、システムコンサルティングなどです。
近縁では、独立開業して成功している公認会計士の多くが、税務業務にとどまらず、このコンサルティング業務に力をいれています。
ただし、自己監査は監査に非ずの観点から、様々な制限が設けられています。

税務業務

税務業務とは、税務書類の作成や税務申告の代理および税務に関する相談等の業務をいいます。
本来、税務業務は税理士の仕事とされていますが、公認会計士は、税理士となる資格を有しているため、登録さえすれば、税理士としての税務業務を行えます。
独立開業した多くの公認会計士にとって、税務業務が収益の柱となっています。