また2010年には、「公認会計士制度における懇談会」を開催し、業務補助などの制度変更に乗り出しています。
合格者数の削減
「会計士5万人構想」の下、公認会計士試験の合格者を府増やしていた金融庁ですが、就職先がなく資格を取得できない未就職者が大量発生したため、金融11年度の公認会計士試験から合格者数を減らしています(減らしたというよりも、元に戻しただけですが)
これにより、試験合格後も実務経験を積めず資格を取得できない未就職者の増加に一定の歯止めがかかる一方で、既に生み出してしまった待機合格者については依然として問題が残り続けています。
公認会計士制度における懇談会
金融庁は、合格者の経済界等への就職は進んでおらず、社会人の受験者・合格者についても十分増加していないことや、公認会計士になるために必要な実務経験を満たすことができないことを懸念し、「公認会計士制度における懇談会」を開催し、2010年8月4日に中間報告書で「企業財務会計士制度」などの新たな制度を提案しています。
業務補助の制度変更
公認会計士になるには2年以上の業務補助が必要ですが、一般企業に収束した場合、企業等では実務従事要件を満たしにくいということがありました。
つまり、資格のコンセプトを変えたにもかかわらず、実務教育の環境をそれに合わせなかったために、結果として、公認会計士試験に合格しながら、就職できず、資格取得に至れない人材が増える結果になっています。
実務従事要件を満たせない理由
一般企業で業務補助の実務従事要件を満たす場合、資本金額5億円以上の会社であること(資本金額が5億円以上の法人等に勤務(在籍)する必要はありませんが、従事する業務は、資本金額5億円以上の法人等を対象とするものである必要がある)が要件になります。
実際、このような要件を満たせる会社に就職できることは少なく、結果として、この「資本金5億円以上」の要件が、企業への就職を妨げている一番大きな要因となっています。
制度改正の検討
金融庁が開催した「公認会計士制度における懇談会」ではこの業務補助の制度改正も検討されました。
具体的には、実務従事要件を満たす企業を「資本金1億円以上の法人、または、金
融商品取引法の対象法人(金融商品取引法の対象となるために監査報告書の発行等の具体的な作業を行っている法人を含む)において」 とすることが適切であるとされました。
ただしこの変更案はまだ実現していません。